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森友学園問題〜籠池証言のウソを暴き、辻元議員を追及すべし3

(2)政治家の口利きはあったのか

 籠池泰典氏は、政治家の口利きに関して、証人喚問の2週間前には、記者会見で政治家への口利き依頼をただされ、「ないですよ。何回も言っているじゃないですか。無い、ないですよ」と答えた。いらだちもあらわに否定していた。

 ところが、籠池氏は、証人喚問で、小学校設置認可や国有地取得に関して協力を求めた先として、自民や維新の国会議員の実名を列挙した。大阪府松井一郎知事周辺の接点も利用したと述べ、「政治的な関与はあったのだろう」と推測を述べた。2週間前とは真逆である。だが、その「関与」についてのやりとりがどうだったか、何も具体性がない。

 このように自分の発言を180度変えるような人間が、昭恵夫人の関わりを主張している。そして(1)に書いたような事態を生んでいる。籠池氏の言動は、私利私欲のために、国会をかく乱し、人心を惑わす悪質な行為である。

(3)3通の契約書があるのはなぜか

 小学校建設にあたり、籠池氏は国土交通省大阪府などに建築費が異なる工事請負契約書を提出していた。大阪府は、私文書偽造罪、公務執行妨害罪等で刑事告訴する準備をしている。

 衆院証人喚問のでは、宣誓の後、籠池氏は、金額が異なる3種類の工事契約書の存在について「反省」の言葉を口にはした。

 公明党富田茂之衆院議員は、なぜ3つの工事契約書が存在するのかを追及した。籠池氏と小学校建設業者が、正規の契約書のほか、工事金額を過少に記載した契約書も作るとした「覚書」を交わしていたことについても問い質した。だが、籠池氏は「刑事訴追の恐れがあるので答弁は控える」と証言を拒否した。

 国土交通省補助金を申請する際に提出した契約書については、「手続きは設計事務所が行っていた」と、籠池氏は設計事務所に責任を転嫁した。本件は、補助金適正化法違反の疑いがある。補助金の詐取は、国民の税金を詐取する行為である。税金泥棒である。

 証人喚問での本人の証言は、明らかに違法行為だったことを意識した発言である。司直の手で疑義を徹底的に解明すべきである。

(4)安倍首相側から100万円の寄付はあったのか

 籠池氏は、証人喚問で、安倍首相から昭恵夫人を通じて寄付金100万円を受け取ったと重ねて主張した。昭恵夫人が27年9月5日に講演に訪れた際、「私と2人きりの状態で『安倍晋三からです』と封筒に入った100万円をくださった」「金庫の中に入れ、その後郵便局に行った」などと述べた。同行した「秘書」がいたが、夫人が直前に「お人払い」をし、園長室で2人きりだったと言う。

 自民党西田昌司参院議員は質疑で、昭恵夫人には同行者が2人おり、籠池氏と2人だけになる機会はなかったと指摘した。昭恵夫人からの聞き取りに基づく発言である。籠池氏は「事実は小説より奇なりであります」と言って、自分の主張を強調した。この文脈で使うには、非常に不自然な表現である。他の関係者の証言などとの食い違いを何度も指摘されると、籠池氏は「的外れだ」「失礼ではないか」と声を荒らげた。

 籠池氏の証言には、決定的な証拠はない。袋入りの寄付金を受けたと言うなら、その袋を提示すべきである。籠池氏は、夫人から渡された袋を、上から見て金子(きんす)だと分かったと言う。だが、寄付金であれば、銀行から引き出したまま、銀行の袋で渡すのは失礼になる。普通、寄付金なら、のしをつけて渡す。安倍首相または昭恵夫人の自筆の署名(金額入り)がある袋が提示されなければ、証言は裏付けを欠く。

 郵便局の振替用紙に「安倍晋三」→「匿名」→「森友学園」と書いたことと合わせ、籠池氏の証言は極めて疑わしい。

 籠池氏は、講演を終えた昭恵夫人に「10万円入ったお菓子の袋に『感謝』という銘を入れ、お持ち帰りいただいた」とも証言した。また、寄付金を受け取った後、夫人から「匿名で願いたい」という電話が来たという。通話内容の録音が存在しないなら、これも裏付けがない。電話があったということだけなら、電話会社の通話記録を出せば、通話の日時と通話時間は示すことができるだろうが、それも提示していない。

 23日証人喚問後、籠池氏は、日本外国特派員協会で記者会見を行った際、100万円の寄付を巡り、首相側の説明と食い違っている点について、「(真相は)神のみぞ知る」と強調した。この表現も非常に不自然である。事実を言っているのであれば、自分と昭恵夫人は知っていると主張すべきところである。「神のみぞ知る」という言い方は、おかしい。

 籠池氏は、昭恵夫人からは、最近になって「口止めとも受け取れるメールが届いた」とも述べた。24日の参院予算委員会で、首相に質問した自民党西田昌司氏は、昭恵夫人と籠池氏の妻・諄子氏との間で行われたメールのやり取りを公開した。これを受け、首相は「100万円のやり取りもない。籠池氏の夫人に確かめたが、払ったという話は一切ない。メールを見ていただければよく分かる」と訴えた。

 籠池氏が、昭恵夫人から「100万円の寄付」を受けたと主張した点について、首相は、「密室のやりとりなど反証できない事柄を並べ立て、事実と反することが述べられたことは誠に遺憾だ」と語った。籠池氏が証人喚問で昭恵夫人から「口止めともとれるメールが届いた」と指摘した部分は、昭恵夫人が2月25日に「私もよくわかりませんが、色々気を付けなくてはいけないことがあります。私が関わったということは、裏で何かがあるのではと疑われないように、細心の注意を払わなくてはならないということだったのでしょう。(略)」と送ったメールとみられる。首相は、この点に関する籠池氏の証言に対して、「極めて遺憾で、悪意に満ちたものだ」と批判した。

 現在のところ、(4)安倍首相側から100万円の寄付はあったのか、については、真相は明らかになっていない。籠池氏の主張に対し、密室のやり取りはなかったと証明することは難しい。「ない」ことを証明するのは、「悪魔の証明」といわれるほど困難である。籠池氏によって国民に植え付けられた疑惑をぬぐうことは、首相にとって大きな課題となっている。一般社会であれば、こうした議論に関しては、どちらの人格を信用するかで、人は判断する。だが、野党4党は、安倍首相を引き摺り下ろすことが目的ゆえ、「悪魔の証明」を首相に迫ることで、国民の疑惑を刺激し続けようとするだろう。

 疑惑を晴らすには、確かな証拠しかない。ここで重要なのが、籠池氏が郵便局の振替用紙について、偽証をした可能性が高いことである。

 証人喚問では、100万円を郵便局で振り込みした際、受領票に学園職員がまず「安倍晋三」と書き、それではだめだと郵便局員に指摘され「匿名」と書き、それもだめで「森友学園」と書き直したと籠池氏は述べた。その過程で、郵便局にいる職員から学園にいる副園長(籠池氏妻)に電話をかけた、とも述べた。

 だが、3月27日のフジテレビの番組「グッディ」は、「新疑惑 籠池氏100万円振込用紙で偽証? 独自に筆跡鑑定」のタイトルで、籠池氏の偽証の可能性を報じた。同局は受領票の筆跡鑑定を日本筆跡鑑定人協会会長の根本みきこ氏に依頼。鑑定結果は、受領票に書かれている字である「大」は、90%の確率で籠池夫人の筆跡と一致。「安倍晋三」は、籠池夫人の筆跡と似ている。「匿名」は、90%の確率で籠池夫人の筆跡と一致。「森友学園」は、籠池夫人の筆跡ではない、とのこと。この鑑定でわかったことが事実であれば、籠池氏の証人喚問での発言は、偽証ということになる。

 自民党も独自に筆跡鑑定を行った。その結果を踏まえ、28日記者会見を開き、籠池氏を議院証言法に基づく偽証罪で告発する考えを発表した。筆跡鑑定の結果、書いたのは職員ではなく籠池夫人の可能性が高いとのこと。フジテレビの鑑定人も同じ結果だから、間違いないだろう。初期のテレビ報道では「夫人が入金」と伝えていた。それが学園側弁護士の説明で「職員」と変わった。告発には、予算委員会委員の3分の2以上の賛成が必要だが、自公の委員の賛成で確実である。国政調査権を発動して、きっちり、やってほしい。

 次回に続く。