「シュリ」、「あの人に逢えるまで」

 午前中、ビデオでカン・ジェギュ監督の「シュリ」を観て、昼からはあっちゃこっちゃ野暮用を済ませる。

 夕方から、新宿へ。

 午後7時15分、シネマート新宿にて韓国映画「あの人に逢えるまで」の ” カン・ジェギュ監督トーク付き 特別先行有料試写会 “ に行ってまいりました。

 ☆「シュリ」(1999)監督 カン・ジェギュ 出演 ハン・ソッキュキム・ユンジンチェ・ミンシクソン・ガンホ、パク・ヨンウ、キム・スロ

 韓国の情報部員ジュンウォンは最近多発する暗殺事件の裏に、以前から追っている謎の女スナイパーの影を感じていた。そして、ついに自分の命が狙われ、恋人の身を案じた彼は、彼女をホテルにかくまう。

 いつもと様子が違う恋人に、何が彼女を苦しめているのか分からず戸惑うジュンウォン。

 そんな中、驚異的な破壊力を誇る液体爆弾CTXが強奪される。同じ頃ソウルでは、韓国と北朝鮮両首脳が列席するサッカー南北交流試合の華やかな舞台の準備が進んでいた……。

 カン・ジェギュ監督の新作「あの人に逢えるまで」の試写会の予習(?)、というか復習になるのか? …カン・ジェギュの出世作「シュリ」をひさしぶりに観ることにしました。

 …もう、18年も前の映画になってしまうのですねぇ。

 韓国に潜入した北朝鮮工作員と、韓国情報部員との悲恋を軸に描いたサスペンス・アクション映画です。

 韓国映画史において、” 「シュリ」以前、「シュリ」以降 “ という言葉があるくらい、エポックメイキングな映画だったんだそうです。

 それまで ” 北朝鮮 “ をテーマにすることはタブーだった。

 アクション・エンターテインメントということで、つい ” 南北分断 “ という深刻なテーマを見過ごしがちですが、そうしたテーマの映画が興業的にも成功することを証明したことで、次々に作られるようになったんですね。

 『シュリを知ってるか?

  澄んだ川に棲息する 朝鮮固有の魚だ。

  今は国が分断された 離散家族だが

          同じ川で再会できるだろう。』

 ☆「あの人に逢えるまで」(2014)監督 カン・ジェギュ 出演 ムン・チェウォン、コ・ス、ソン・スク

 ヨニは毎日欠かすことなく “ あの人 ” のために心を込めて料理を作り、その帰りを待ち続けていた。

 ある日、彼女は待ち人がなかなか戻らない理由がわからないまま、家を訪れた役所の勧めで、“ あの人 “ に会いに行くことになる。

 ヨニは手作りの弁当を手に、大勢の老人たちと一緒に北へと向かうバスに乗り込むが……。

 「シュリ」や「ブラザーフッド」などのカン・ジェギュ監督の新作。

 南北朝鮮の離散家族を題材にした、28分間の短篇映画です。

 わずか28分の中に、60年という重みを描き込まれた力作だと思います。

 韓国国民にとっては ” 南北離散家族 “ の問題は、われわれ日本人の想像する以上に、身近で深刻な問題なのですね。

 戦争による、とんでもない暴力だよなぁ。

 老女を若い女優が演じるという演出にはドキリとするものがあります。…結局、主人公ヨニの中では60年という時間が経っていないということなんでしょうね。

 カン・ジェギュ監督、55歳。…穏やかな口調の、人当たりのよさそうな印象です。